wafuupizzaのブログ

某地方の農業系大学に入学した、東京のシティボーイが書いてます。

寂しさを紛わすための依存

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 寂しさに耐えることをやめた。


 今まで、寂しさに気づかないふりをして、耐えていた。
 でももうやめた。だって、僕がいる場所は、寂しさを紛わすには最適な場所だから。誰かの部屋をノックすれば、部屋に迎え入れてくれる。話すわけでもなく、それぞれにスマホを見ていても、寂しさは紛れる。

 それでも、いつでも誰かがかまってくれるわけじゃない。相手の都合を一切考えずに行動するのは、難しい。それに、遊びに行ける友達がたくさんいるわけでもない僕は、バーチャル世界にいった。

 掲示板を見れば、いつでも(つまり、24時間)人がいる。僕には、掲示板に自分の連絡先を書く一歩は踏み出せない。むしろ、書いている人たちを理解できないふりをしている。でも、彼ら、彼女らに、僕は、連絡をするし、求めている。矛盾だらけだが、相手を見下すことで自我を保っているようなものだ。「俺は、違う」っていうように。
 電話をすれば、大抵は、拒否される。でも、時々出てくれる人もいる。そんな人は、「危険な人間」かもしれない。顔を合わせたわけでもなく、その瞬間に初めて電話越しに出会った相手なのに僕らは、話を始める。気が合う人もいる。この場合、相手がどんな人間かはどうでもいい。ただ、電話をし、チャットをし、互いの承認欲求を埋め合えればいいだけなのだ。手っ取り早い。相手から連絡が来れば、僕は、自分の存在価値を見出せるような気がする。

 現実に満足か不満足かは、関係ない。

 バーチャル世界は、あくまでも現実ではない。反対側には、同じように現実の世界を生きる相手がいるが、それでも僕は、そこまで想像力を働かせる必要はない。実際に、想像するかは別にして。でも、どちらにしたって、相手の言ったことからしか相手のことはわからない。仮想世界で死にたくなればいつでも死ねる。電話を切るだけだ。楽なもんだ。相手への思いやりなんて必要ない。誰もが、自分の欲求を満たすことしか考えない。僕は、そんな世界を軽蔑している。この世界へ、自分の欲望のために喜んで魂を売りつけたのにもかかわらず。

 電話越しに、愛の言葉をささやいてくる人間もいる。それに満足をした僕は、思ってもない言葉を当然のように吐く。何がしたいのか、自分でもわからない。そこで、僕は、気がついた。電話越しの彼女は、依存できる相手を探しているだけだったのか。そうだった。相手も僕とは変わらないはずだ。僕は突然怖くなった。仮想世界の相手のはずなのに、僕の住む現実世界へと入り込んできそうで。
 
 でも、僕は、しばらくこの娯楽を止めることはなさそうだ。本心っていうやつは、いくつも体の中にある。都合の良い時に都合の良い本心を持ち出して、自分を納得させる。しかし、今自分を突き動かしているものが本心なのかも怪しい。ただの、感情かもしれない。感情に任せて行動をして、良い結果なんてそうこない。
 
この堂々巡り、迷い込み、しばらく抜け出せそうにない