無責任だよ
大学には、就職のためだけの授業がある。
就活で大事なのは、自己分析らしい。自分を商品とし売り込む。そのために、自分の強み、売りを見つけなくちゃいけない。長所ともいえる。それで何をさせられたかっていうと50問位の質問に答える。それは、責任を持って仕事できるか、向上心があるか、計画を立てるのは得意か、人付き合いのこととか。テンプレートみたいな、子供でも会社はこういう人材を求めているんじゃないって想像できるような内容で、それに自分ができるか答えていく。自分で答えたあとは、友人に評価してもらう。俺は、どんな人間か?他己分析をする上で気を使う必要なんてない。思った通り書けばいい。
こういうのは嫌いじゃない。自己分析や他己分析をする機会なんてそうないから自分がどんな人間か少しだけわかってくる。
「ジョハリの窓」の存在を実感することになる。
こんなもので自分というものが分かってたまるか。という思いは、真っ当なものだ。わかるわけないんだから。
突然言われた。
「部長になってくれない?」
僕は、長になりたいと思ったことは今まで特にない。
なぜかって、責任が増えるのがやだから。ミスしたときのことを考える。あまり目立ちたくない。
要は、無責任。「子供」と何ら変わりはない。
だってそうだろう。
「子供」のうしろには常に保護者がいる。あと始末は、いつだって「保護者」任せだ。
でも、今回はそれだけが理由じゃない。
部長になってくれと言われた組織で一番仕事をしていた同学年は、僕じゃない。仕切っていた彼女がやるべきだろう。仕切るということは、その場の責任を持つことだ。僕には、そんな勇気はなかった。
彼女に僕は、聞いてみた。「部長を代わりにやらない?」この発言は、無責任からだけのものではない。と思いたい。彼女は、やらないと言った。
責任を持つ人間は、「大人」で尊敬に値する。
「無責任な奴」のうしろには常に「責任を取る奴」がいる。後始末は、いつだって「責任を取る奴」任せだ。
だから、引き受けようと思う。周りの分まで責任を持とうと思う。